共済の説明でよく出てくる「割戻金(わりもどしきん)」。聞き慣れない言葉ですが、共済ならではの仕組みです。ここでは、割戻金とは何かを整理します。
割戻金とは
割戻金は、共済の決算で剰余が生じたときに、組合員へ戻されるお金です。共済は組合員から集めた掛金で、組合員の万一に備える相互扶助の制度です。1年間の収支を締めたとき、集めた掛金が給付などの支払いを上回って余りが出ることがあります。その余り(剰余)の一部を、組合員に戻すのが割戻金です。
なぜ割戻金が生まれるのか
割戻金が生じる背景には、共済の掛金の決め方があります。共済は、1年間にどれくらいの給付が発生しそうかを見込んだうえで掛金を設定します。実際の給付がその見込みより少なく済めば、集めた掛金に余りが出ます。逆に、給付が見込みを上回れば、剰余は小さくなったり生じなかったりします。つまり割戻金は、「事前の見込み」と「実際の収支」とのずれから生まれるものだと理解しておくと分かりやすくなります。営利を目的とした利益の分配ではなく、組合員から預かった掛金のうち、結果的に使われなかった分を組合員に返す、という性格のものです。
必ずもらえるわけではない
ここが大切な点です。割戻金は決算の結果によるため、ある年もあれば、ない年もあります。金額も年度や商品によって変わります。「毎年これだけもらえる」と決まっているものではないので、割戻金をあてにして掛金を判断しないようにしてください。
割戻金は、その年に給付が少なかったことの結果として生まれる面があります。言いかえれば、割戻金が大きい年は、組合員全体として大きな出来事が少なかった年とも考えられます。「割戻金が多いほど良い共済」と単純には言えないのは、このためです。割戻金の有無や多寡だけで共済の良し悪しを判断するのではなく、いざというときに必要な保障が受けられるか、という本来の目的から見ることが大切です。
受け取り方
割戻金は、年1回、決算後に指定口座へ振り込まれるなどの形で受け取ることが多いです。ただし、具体的な時期や方法は共済ごとに異なります。気になる場合は、加入前に公式資料で確認しておくと安心です。
受け取り方法のほかに、確認しておくとよい点もあります。たとえば、年度の途中で加入した場合に初年度から対象になるのか、解約した年の割戻金はどう扱われるのか、といった細かい条件です。これらも共済や商品によって異なります。割戻金を判断材料の一つにしたいときほど、こうした条件を事前に押さえておくと、受け取れると思っていたのに対象外だった、という行き違いを防げます。
割戻金は「貯蓄」ではない
割戻金を「積み立てたお金が戻ってくる」ものと受け取る人がいますが、これは正確ではありません。共済は掛け捨て中心の仕組みで、貯蓄型の保険のような積立部分を持たないのが一般的です。割戻金は積立の払い戻しではなく、あくまでその年の収支の結果として生じる剰余の還元です。掛け捨て型と貯蓄型の違いについては掛け捨てと貯蓄型の違いは?保障の選び方のポイントで整理しています。「割戻金があるから実質的に積み立てになる」とは考えず、保障の仕組みと貯蓄は分けて見ておくとよいでしょう。
保険の「配当金」との違い
保険にも「配当金」という似た仕組みがありますが、割戻金とは別物です。割戻金は組合員同士の相互扶助で生じた剰余を戻すもの。保険の配当は、保険会社の収支や運用結果に基づくものです。どちらも「戻ってくるお金」ですが、生まれ方が異なります。
まとめ
割戻金は、共済の決算で剰余が出たときに組合員へ戻されるお金で、相互扶助の仕組みから生まれます。ただし有無も金額も年度次第で、必ず受け取れるものではありません。「割戻金があるからお得」と単純に判断せず、保障内容と掛金を合わせて検討してください。