保険は、一度入ったら終わりではなく、暮らしの変化に合わせて見直していくものです。とはいえ「いつ」「どう」見直せばよいか分かりにくいもの。ここでは、見直しのタイミングと進め方を整理します。
見直しの目安は「暮らしが変わるとき」
図:保険見直しの基本的な進め方を4ステップで整理したもの。
保険の見直しに決まった時期はありませんが、目安になるのは家族構成や支出が変わるライフイベントです。結婚、出産・子育て、住宅購入、転職、子の独立——こうした節目では、必要な保障の額や期間が変わります。逆に言えば、暮らしが大きく変わっていなければ、頻繁に見直す必要はありません。
進め方1:今の保障を「誰に・いくら・いつまで」で整理する
見直しの第一歩は、今入っている保障の棚卸しです。保障内容・掛金を書き出し、「誰のために、いくら、いつまで必要か」を整理します。すると、保障が重複している部分や、逆に足りない部分が見えてきます。不安を基準に増やすのではなく、必要額を基準に過不足を直すのが基本です。
進め方2:選択肢に共済も入れて考える
備えの手段は保険だけではありません。共済も、基本的な備えの選択肢のひとつです。共済は組合員同士の相互扶助の制度で、加入できる対象などの条件はありますが、分かりやすい掛金で設計された商品が多いのが特徴です。保険と共済を組み合わせ、不足する部分を補うという考え方もあります。どちらが優れているかではなく、自分に必要な保障に合うかで見ていくとよいでしょう。
進め方3:解約は「新しい保障が確定してから」
見直しで特に注意したいのが、解約の順番です。健康状態によっては、新しい保障に入れない場合があります。先に今の保険や共済を解約してしまうと、いざ新しい保障に申し込んだときに入れず、保障が空白になるおそれがあります。新しい保障への加入が確定してから、既存の保障を解約するようにしてください。
見直し前に手元にそろえておきたいもの
見直しを始める前に、判断の材料となる書類をそろえておくと、作業がぐっと進めやすくなります。具体的には、加入中の保険証券や共済の加入者証、直近の更新案内、勤務先の福利厚生で受けられる保障の案内などです。会社員であれば、健康保険組合からの給付や、万一のときの公的年金の見込みも、おおよその姿をつかんでおきたいところです。
公的な保障は、民間の備えを考えるうえでの土台になります。たとえば、医療費の自己負担には高額療養費制度による上限があり、一家の働き手に万一があったときには遺族年金という仕組みもあります。こうした公的な備えがどこまで支えてくれるのかを大まかに把握しておくと、「民間で上乗せが要る部分」が見えやすくなり、過剰な備えを避けられます。
見直しでつまずきやすい点
実際に見直しを進めると、いくつか判断に迷う場面が出てきます。次のような点は、あらかじめ意識しておくとよいでしょう。
・保障内容を覚えていない。証券を確認せず記憶だけで判断すると、重複や不足を見落としがちです。 ・掛金の安さだけで選んでしまう。負担は大切ですが、必要な保障が含まれているかを先に確認します。 ・更新で条件が変わる商品を見落とす。一定年齢で掛金や保障が変わる場合があり、長く続ける前提なら確認が欠かせません。 ・健康状態を考えず乗り換えようとする。新しい保障に入れるとは限らないため、加入が確定するまで今の保障は残します。
よくある誤解
見直しというと「とにかく保障を増やす」「掛金の安いものに乗り換える」と捉えられがちですが、いずれも一面的です。見直しの目的は、不安を埋めることでも、ひたすら安くすることでもなく、今の暮らしに対して保障が過不足ない状態に整えることにあります。増やすべき部分もあれば、役目を終えて減らせる部分もあります。両方を見て調整するのが本来の姿です。
なお、共済は保険とは異なり、組合員同士の相互扶助の制度です。手頃に基本を備える土台として活かしつつ、大きな保障や特定のニーズは民間の保険で補う、という組み合わせ方も選択肢になります。年代やライフステージによって考え方は変わるため、20代の保障の考え方や40代の見直しのポイントもあわせて参考にしてください。
まとめ
保険の見直しは、暮らしが変わるタイミングが目安です。今の保障を「誰に・いくら・いつまで」で整理し、共済も含めて必要な備えに合うかを見ていきます。判断は不安ではなく必要額を基準に、そして解約は新しい保障が確定してから——この順番を守れば、過不足のない見直しがしやすくなります。